時給1,500円に向けた来年の施策とは

令和7年の春ごろに募集開始となる国の施策が見えてきました。

 

※今回ご案内するのは、「経済産業省」から発表されているものです。

「厚生労働省」から案内がある助成金や補助金や「農林水産省」等から案内がある各種の補助金については、紹介していませんのでご了承ください

 

経済産業省関係 令和6年度補正予算案の概要を参照しますと、やはり最初に明記されているのは「賃上げ環境の整備」です。


5年後の2029年に時給1,500円を実現するために政府は本腰をあげてきています。

 

5年後の時給1,500円を達成するために毎年90円も時給をあげていく必要がありますが、本当に可能でしょうか?

実現のためには、DXやIT導入に加え機械化(自動化)を進めて、生産性を向上させることが必須となります。

中小企業生産性革命推進事業

物価高や最低賃金引上げへの対応、持続的な賃上げの実現のために、稼ぐ力を強化することを「国の重点策」として掲げています。これには、昨年同様に、中小企業生産性革命推進事業として以下の施策(補助金)が実施されることが発表されています。

 

ものづくり補助金

IT導入補助金

小規模事業者持続化補助金

事業承継&M&A補助金

 

事業承継関連の施策で、引継ぎ補助金からM&A補助金へと名称が変更になっています

 

いずれの施策(補助金)も、令和7年の春ごろから募集開始ですが、年明けには加点対策などの準備が必要となります。

 

次に、カタログから導入設備を選ぶ方式のためか、あまり活用されていない「省力化補助金」ですが、カタログ形式でなく、小規模補助金やものづくり補助金のように「個別発注形式」の枠組みが登場する見込みとなっています。

 

※未だ正式決定が発表されていないので、現段階では見込みとしか表現できません

 

「個別発注形式」の省力化補助金と、他の補助金がどう違うのか、イメージがつかないのですが、重複して応募することが出来ない仕組みを導入することが予想されます。

新たに二つの施策が登場する見込み

経済産業省系の来年の施策として、新たに二つの施策が登場するみたいです。

 

新事業進出補助金(仮称)

中小企業成長加速化補助金(仮称)

 

まず、新事業進出補助金(仮称)ですが事業再構築補助金の後継となる施策という位置付けです。

そのため、施策の目的は、既存事業を活用した中小企業の成長につながる新事業進出・構造転換への投資に重点支援するものとなっています。

 

※事業再構築補助金では、新型コロナの影響により新事業進出・事業・業種転換、事業再編などを通じた思い切った事業の再構築がテーマでした。

 

新事業進出補助金(仮称)の事業総額は1500億円となっています。

ちなみに、従来の生産性向上支援の4つの施策(ものづくり補助金やIT導入補助金など)の補助金総額が3000億円規模であるので、ボリュームとしては大きいと言えます。

 

次に、中小企業成長加速化補助金(仮称)ですが、この施策の目的は、売上高100億円をめざす中小企業への設備投資への支援や、中小機構による多様な経営課題への支援等を創出するとされています。

中堅以上の大きな会社でなければ応募できない内容で、補助金の総額が1000億円となっています。

 

似たような施策で、大規模成長投資補助金という施策が今年実施されました。

 

経済産業省関係 令和6年度補正予算案の概要にも、大規模成長投資補助金が明記されているのですが、別の資料では、中小企業成長加速化補助金(仮称)となっていました。

もしかしたら、それぞれ募集される可能性がありますが、売上高100億円をめざす企業は、もはや「中小企業」ではない気がします…

 

これらの新しい補助金は、各種基金から拠出されています。

例えば事業再構築補助金は、令和3年に交付された「中小企業等再構築促進事業」から拠出されていました。

今回の新しい補助金の各種基金の終了予定時期が令和8年9月となっているので、賃上げや人手不足の中で、どのタイミングで設備投資をして生産性を高めていくのか企業のあり方を考えていかなければならない状況になったと感じています。

 

来年の春になってから、どう施策(補助金)を活用しようか…と、考えている様では、対応が遅すぎます。

 

加点対策への準備も必要ですし、ほぼ同じ時期に募集となるので、支援いただく公的機関などからの支援が十分に受けられない可能性もあります。

何事も、早めの準備が「成功の秘訣」です。

気になる施策があれば、早めの相談を実施してください。

 

笑顔創造研究所は、みなさまの笑顔を応援しています。