緩和された電子帳簿保存法の内容

すべての事業者が関係する電子帳簿保存法ですが、11月24日の日経新聞に「デジタル対応が遅れている企業は紙も容認とする」という内容の記事が掲載されました。

 

※新聞の記事は確定の内容ではなく、検討しています… という内容のものです。 

 

日本商工会議所の調べによると、電子帳簿保存法に対して、4割の事業者は何も準備していないと回答したそうです。

 

来年の年末ぐらいにならないと、重い腰を上げられない人が多いという事でしょうね。


対応すべき二つの制度

現在、法人だけでなく個人事業主、フリーランスの方を含め全ての事業者を対象に、大きな改革が進んでいます。

それは、インボイス制度電子帳簿保存法の二つの制度です。

 

対応すべき二つの制度について今一度おさらいをしますと…

 

消費税の取り扱いに関して、請求書など発行する側が対応しなくてはならないのがインボイス制度です。

これに対して、請求書などを受理する側が対応しなくてはならないものが電子帳簿保存法です

 

インボイス制度は、2023年10月開始予定です。

これに対して、電子帳簿保存法は、制度導入前の猶予期間の最中で2024年1月から開始予定です。

 

これ以降は、電子帳簿保存法の猶予の案内のみとなります。

全てデジタル対応する必要はなし

ちなみに、電子帳簿保存法は、全ての帳票をデジタル対応で保存することは求めていません

 

具体的には…

紙で作成した帳簿や決算書は、そのまま紙で保存してもOKです。

 

それに対して請求書とか領収証などは、二つのパターンがあります。

 

①紙でもらった場合

紙でもらった請求書は、紙で保存してもいいし、スキャンして電子データで保存しても構わないとされてます。

 

②電子データでもらった場合

ネットショッピングなどで電子データとしてもらう場合請求書(PDFデータ含む)は、必ず電子データで保存する必要がありました。

つまり電子データでもらったものは紙で印刷してはいけなかった訳です。

 

だから、前回 ご案内した内容ですが、請求書を紙で発行してください とする事業者が増えた訳です。

 

この内容で2024年1月からスタートする予定でしたが、電子データで受理したものでも紙でOKとなる可能性が出てきました。

※ただし、売上高が5000万円以下の事業者に限られる見込みです。

 

今まで、メール等で届いた請求書などの電子データをわざわざ紙で印刷して保存していた事業者は、紙で届いた請求書などをスキャンするやり方に変える必要があるのか不安でしたがそのような心配は無いみたいです。

相当な理由って何?

当初の予定では、請求書などの経理書類について売上1000万円以下の事業者を除いて相当な理由がない限り、紙の保存が認められない…として、法整備が進んでいました。

 

おまけに

保存した電子データについて、検索機能を確保しなくてはならないとして、ハードルが高い内容です。

 

特別なソフトが無ければ、PDFに日付や金額などのデータを追加することができないので、年月日や金額、取引先で検索できる様にするにはそれ相応のシステムを導入する必要があります。

 

この点が、昨年から中小企業の実態にそぐわないと言われてきました。

 

 

ところが…新聞記事によると、新たな会計ソフトの導入が金銭的に難しい等の理由で、紙の保存が認められる可能性

出たということらしいです。

 

当初は「相当な理由」という事で、かなり厳格に対応する必要があると考えていましたが、かなり骨抜きな内容に変更される見込みだと感じました。

 

制度の変更内容は、本来ならば大々的にPRしてくれる内容かと思いますが、注意を向けないと、頭に入ってこない内容かと思います。

全ての事業者が関係している事なので、制度の成り行きに注目していきましょう。

 

 

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