読解力を確認してみよう

車の免許をお持ちの方ならば、必ず指導される訓練があります。

 

一枚の写真を見て、この次にどんな危険があるでしょうか?

起こりうる危険を予測する訓練です。

 

子供が飛び出してくるかも…

車が急に車線変更してくるかも…

 

などと、次の展開を予測する訓練です。

 

仕事の現場でも、似たような訓練で危機予知をしていると思います。

 


4月で新年度になり、

 

先読みの研修で円滑に仕事を進めようと思った方からこんな声を聞きました。

 

「指示を正確に理解できない人が増えてきた…」

というものです。

 

一問一答ぐらいに短い指示をしないと、伝わらない という悩みです。

 

SNSのやり取りでは長文を避ける傾向があるので 

コンパクトでない指示は伝わらないのかも知れない…とは思いました。

 

しかし、それよりも仕事の指示を理解する読解力が弱いのではと感じています。

基礎的読解力の調査結果

国立情報学研究所 センター長である新井紀子氏が、文科省などの協力を得て大規模な読解力の調査をしました。

 

例えば、このような問題です

(小中高生が解いた問題です)

 

次の文を読み、問いに答えなさい。

 

仏教は東南アジア、東アジアに、キリスト教はヨーロッパ、南北アメリカ、オセアニアに、

イスラム教は北アフリカ、西アジア、中央アジア、東南アジアにおもに広がっている。

 

問題:この文脈において、以下の空欄に

あてはまる最も適当なものを選びなさい

 

オセアニアに広がっているのは( ? )である。

 

①ヒンドゥー教 ②キリスト教 ③イスラム教 ④仏教

 

さて、( ? )の中には、①~④のどれが当てはまるでしょうか?

 

 

正解は②になります。

 

 

この問題に対する中高生の正答率は、中学生の6割、高校生の7割が正解でした。

むしろ、中学生の10人に4人が、高校生の10人に3人が正解できなかったという訳です。

 

基礎的な読解力が苦手な方が、そもそも多いという結果が出ています。

読解力の訓練はしていますか?

その昔、若手と呼ばれている時に、上司から重要な訪問先に伺う時間を質問されました。

「〇時に伺う予定となっています」と返答したのですが、しばらくすると、また重要な訪問先に伺う時間を質問されます。

 

どうして 何度も聞かれるのか?不思議に思って先輩に相談すると出発時間はどうするの?手土産とか要らないの?と笑いながら、教えてもらいました。

 

読解力というよりも、先読みや気遣いといった方が正しい表現かもしれませんが

そういう事を気づかせてもらうために聞かれたのか?とようやく分かった訳です。

 

このような気づきの訓練・練習を意識的に実践しているでしょうか?

 

忙しい中で、何をすべきか明確な指示ばかりになっているのかも知れません。

検索しても出てこないもの

大阪のユニバーサルジャパンの求職者に対するテストの一つが先読みについてでした。

 

一つの絵を見て、気づく事を沢山言ってください というものです。

車の運転する際の危険予知の訓練と同じような内容です。

 

子連れのお客さんには子供用のイスが必要かも

写真を撮りましょうと声をかけた方がいい

何かを探している人に手助けが必要だと感じる

 

など、何が求められているのかWebでは検索しても出てこない内容のものです。

 

このテストをすることで、どれだけ円滑に仕事ができる人か推測できる訳です。

また、指示に対して、どのような行動を取るのか予想できるようになります。

 

 

改めて、一緒に仕事をしているメンバーに読解力がどれだけ有るか確認してみませんか?

適切な伝え方へと改善できればミスやトラブルが大きく減るかも知れません

 

読解力が優れている人ならば、指示の仕方が間違っている可能性が大きいと気づきます。

 

組織が新しくなった時や、新しいメンバーとの円滑なコミュニケーションのために読解力に着眼して声がけをしたり指導をしてみるのが、ベターな方法かもしれません。

 

 

笑顔創造研究所は、みなさまの笑顔を応援しています。