
外から帰ってきて、ドアの前で激怒している親から唐突に言われても、私には何が原因で怒られているかさっぱり分かりません…
あれこれ頭の中を巡らせて〇〇の事?って聞くと、そんな事もしていたのか?って地雷を踏むことがよくありました。
いきなり曖昧な質問をされたら、どう答えていいか迷いますよね?
仕事上で曖昧な質問をされたら本当に困ってしまうのですが、質問をしている方が、その事実に気づいていない事が多いものです。
何故、曖昧な質問がNGなのでしょうか?
今回は、「 安心して失敗できる環境への声掛け 」についてお届けします
安心して失敗できる環境への声掛け
我が社は、なかなか新人が育たないのです…
そう嘆く会社に限って、育成のためのカリキュラムが整備されてない場合が多々あります。
また、評価制度が不明瞭であったり、役職ポストに就くにあたっても求められる資質が明確になっていない場合が多いと感じています。
そのような会社は、たいてい会社の中の雰囲気が悪いです。
上手く言葉で表現できないのですが、入った瞬間に重苦しいムードが漂っています。
※その会社の方が、淀んだ雰囲気に気づいていないのも稀ではないです。
そんな重苦しい雰囲気を変えるべく、「元気よく挨拶」とか「相手を褒める」など、色々と取り入れるものの、短期間で劇的に雰囲気が良くなる訳ではないので、何か良い方策はないものか探していたところ見つかりました。
それは、「安心して失敗できる環境」です。
※会社に損害を与えるほどの失敗をどんどん許容しましょう…という意味ではありません。
失敗が怖い環境では成長できない
まだ仕事に不慣れが方にとっては、たとえ前職での実績があったとしても最初のうちは、上手く処理できなかったり対処できないものです。
それが当たり前ですが、上手くいかない組織では、曖昧な声掛けで、失敗が許されない環境を無意識に作り出しています。
「どうですか 大丈夫ですか?」
良かれと声掛けしているつもりでも、言われた方は「何が大丈夫なのか」が分からないので、「あ、大丈夫です」と咄嗟に応えてしまいます。
「大丈夫ではありません!!」と返答できる人は、ごく僅かです。
やがて、問題やトラブルが判明し、「大丈夫だと言っていたのに…」と愚痴をこぼす事態となる訳です。
(仕事が不慣れな方は、失敗が続き、段々と居心地が悪くなって、退職を 選ぶ…という悪循環となります)
曖昧な声掛けが引き金となって、助けが必要な状況が見落とされてしまうのですが、組織がこの事実(失敗を恐れる雰囲気)となっていることに、気づいていないのが大きな問題だと感じています。
洞察力がないと感じた逸話
問題を抱えた組織の幹部の方と話していた際に、この組織には感受性とか洞察力がないと感じた逸話があります。
こんな内容でした…
タレントの小藪千豊さんが品川駅で車いすからタクシーに乗ろうとしている女性に向かって、駆け寄っていき「何かお手伝いをしましょうか?ゆ~ても僕、何したらええか分からないので教えて下さい」と、声掛けしたというエピソードです。
このエピソードを話した際の、問題を抱えた組織の「複数の幹部」は、「売名行為ですね」って笑ってました。
いえ、違います。
「何かお手伝いをしましょうか?」で声掛けが終わっていたら、「大丈夫です」で終わってしまいます。
けれども
助ける側が「教えてください」って声掛けすることで、言われた方がどれだけお願いしやすくなることか…
その内容に気づかない(洞察力がない)幹部の姿に驚きました。
具体的で効果的な声掛け
「大丈夫ですか?」と声掛けするのが良くないことは、度々案内していますが敢えて、意図が相手に伝わる声掛けとなるようにして欲しいのです。
その結果、安心して失敗できる環境ができると考えています。
※この場合の環境とは、不明点や問題点を解消しやすい環境という意味となります。
「困っていませんか?」と質問するのでなく、「どの部分で困っているのか教えてもらえますか?」と質問すれば、サポートする際のポイントが明確になります。
「進捗はいかがですか?」ではなく「どの部分をお手伝いすればお願いしたことが進みますか?もう一度 不明点を教えることもできますよ」と声掛けして欲しいです。
また「焦らなくても大丈夫」も曖昧な声掛けです。
いつまでに、何を、どう進める必要があるのか明確にせずに、「焦らなくていい」と言われても、後から困ります。
具体的に、目標や期限を伝える中で焦らなくていい…というなら、安心して取り組むことができるようになります。
以上のように、曖昧な声掛けが無意識のうちに失敗を許さない組織を作り出していることを気づき、「何を」「どのように」「いつまでに」具体的な返答が返ってくる声掛けを意識して欲しいです。
そして、
安心して「ここが困っています」「ここが分かりません」と言われる関係性を構築していきたいものです。
その関係性を作る最も強力なツールが、日々の温かく、そして賢明な「声かけ」なのです。
※お伝えしている内容がワンパターンだと思わないで下さい…。
具体的で質の高い一言によって、不慣れな方を力強く支える組織となることを願っています。
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