なぜ「伝えたはずの目標」が現場で実行されないのか…?
年度初め、多くの中小企業では経営計画や事業計画が策定され、社内で目標が共有されます。
売上高、新規顧客数、人材育成、業務改善
どれも経営上欠かせない重要なテーマです。
しかし数か月後、経営者や幹部が現場を見渡してみると、「計画を説明したのに、行動が変わっていない」「担当者で目標の解釈がズレている」と、嘆くことが多々あります。
これは、社員の意欲や能力が低いからではありません。
目標の「中身」ではなく、「伝え方」が合っていないことが大きな原因かもしれないのです。
人は同じ言葉を聞いても、同じようには理解・記憶・行動しません。
何故なら、人によって「記憶・理解のタイプ」に違いがあるからです。
人の記憶には3つの優位タイプがある
心理学や教育分野では、人の情報処理には大きく3タイプがあると言われています。
〇視覚重視型(Visual)
〇聴覚重視型(Auditory)
〇感覚重視型(Kinesthetic)
どのタイプが優れている・劣っているという話ではありません。
それぞれ「理解しやすい入口」が違うという点に着目して欲しいです。
その入口が合っていなければ、残念ながら「覚えていない」「動けない」人が必ず出てしまう訳です。
では、どのような入り口(伝え方)が適しているのでしょうか?
視覚重視型に向けた伝え方とは
〇 視覚重視型社員の特徴は以下のような傾向があります。
・図・表・数字・グラフで理解するのが得意
・書類や資料が整っていると安心する
・全体像や構造を「見て」把握したい
・曖昧な言葉より、明確な形を好む
このようなタイプの人に熱意を込めて気合と根性論で長時間話しても、
・数字の根拠が示されない
・目標同士の優先順位が見えない
・全体像が整理されていない
と感じられてしまい、結果として、
「何を、どこまでやればいいのか分からない」
「結局、何を重視しているのか見えない」
という状態に陥ってしまいます。
視覚重視型に向けた効果的な伝え方とは、
・1枚で分かる経営目標マップを作る
・優先順位を色分け・配置で示す
・数値目標と行動目標を図解で紐づける
以上のような、「見える目標」を「動ける目標」に落とし込むことが重要となります。
視覚重視型に向けた伝え方とは
〇 聴覚重視型社員の特徴は以下のような傾向があります。
・背景・想い・ストーリーを重視する
・対話の中で納得感を得る
・話を聞くことで理解が深まる
このようなタイプの人には、資料を配って「後で読んでおいて」で済ませてしまうと、全く理解されない状態となってしまいます。
視覚重視型に向けた効果的な伝え方とは、(手間がかかったとしても)
・経営者が何を一番大事にしているのか経営者自身の言葉で背景を語る
・過去の失敗・成功事例を交えて話す
・質疑応答や対話の時間を別途設ける
以上のように、「語られる目標」を「腹落ちする目標」にすることが重要となります。
感覚重視型に向けた伝え方とは
〇 感覚重視型社員の特徴は以下のような傾向があります。
・体験や成功感覚を重視する
・実際にやってみないと分からない
・抽象論より具体的行動に反応する
このようなタイプの人は、目標が抽象的すぎると、
「何をすればいいのか分からない」
「やってみたけど合っているか分からない」
という状態になり、自己流に走ってしまいます。
感覚重視型に向けた効果的な伝え方とは、
・まず「最初の一歩」を明確にする
・小さな成功体験を設計する
・ロールプレイや実践型研修を取り入れる
・行動に対して即時フィードバックを行う
以上のように、「体験できる目標」を「続けられる目標」にすることが重要となります。
どのタイプであるか判断するポイント
必ず、3つのパターンにいつも当てはまる訳ではないですが、大まかにどのように行動しているかもしくは発言しているかでその人が何を重視しているか判断することができます。
※詳しくは、VAKモデルで検索すると簡易チェックリストが出てきます。
全体像が見えない とか
根拠を示して欲しいという人は
視覚重視型の人です。
納得できる説明が欲しい とか
その背景は何ですか?という人は
聴覚重視型の人です。
実際何をすればいいのですか?とか
やってみないと分からないという人は
感覚重視型の人です。
その人がどんな発言をしているか重視しているかに着目すると、特徴が見えてくるようになってきます。
伝え方で成果は激変します
今までは、目標達成のために「全社員に同じ説明をする」ことが公平だと考えられてきました。
しかし実際には、同じ内容を、違う形で伝えることこそが公平です。
会議などでストーリーと想いを語る
資料では構造と数字を明確にする
現場では行動と体験に落とし込む
これを意識するだけで、目標達成率は大きく変わるようになります。
年度初めの目標設定を、「形式的なイベント」から「成果につながる経営行為」へ
その第一歩が、伝え方を変えることにあるかもしれません。
まずは、伝えるべき相手がどのタイプか、観察することから始めてみてはいかがでしょうか?
笑顔創造研究所は、みなさまの笑顔と地域経済を応援しています。




