政府は、宅配便で「コンビニ受け取り」や「置き配」を選んだ消費者にポイントを還元する事業を10月に始めると発表しました。
1配送あたり最大5円を補助するそうです。
たった5円の補助で効果があるの?と思いませんか?
(私は、そう感じました。)
コロナ禍では在宅率が上がり、再配達率は約6%まで下がったものが、最近では取扱個数が年間50億個を超え、再配達率は約12%と高止まりしているそうです。
このままでは、物流事業者の負担が増え、大きな環境負荷等の問題を引き起こす懸念が出てきました。
そもそも再配達が無料というのがおかしいとする政府関係者がいるそうですが、再配達を有料化にしたとしても、再配達は減らないというジレンマがあります。
有料化しても再配達が減らない訳
店舗と同じ低価格で商品を提供するSEIYUのネットスーパーでは、商品の配送時に不在だった場合、再配達を受け付ける際の請求額に手数料440円(税込)を追加する対応をしています。
再配達への抑止効果がある一方で、手数料さえ払ったら、再配達してもらえると感じる人が出てきます。
再配達が約12%になっている原因を作り出している人たちです。
そんな関係で、SEIYUのネットスーパーでは、再配達時でも不在だった場合は、その注文が無効になるそうです。
では、再配達の手数料をもっと高くすればいいのでは?と思ったのですが、手数料を高くすると、Webで購入するメリットが薄れてしまいます。
(実店舗で購入した方が安くなるので、再配達手数料は高く出来ないのです)
再配達の手数料を有料化していないECサイトが多い訳ですが、こんな痛し痒しのジレンマがある訳です。
宅配便が再配達になる理由に驚愕
再配達を有料化しても思ったような効果がでないのは理解いただけたと思います。
では、そもそも宅配便がなぜ再配達になるのか、その理由には驚きました。
国土交通省の調査結果によるものなので、信憑性は高いと思います…
その再配達になる理由ですが
〇在宅していたが配達に来たことに気づかなかった
〇(一杯だったとかで)宅配ボックスに入れてもらえなかった
このような理由は仕方がないと思いますが、
〇配達に来ることを忘れていた
〇配達に来ることを知らなかった
と、もう「なす術なし」のような理由があがってきます。
どんなに制度や仕組みを構築しても、こんな理由をあげる人に対しては対処できないと思います。
対処できる、一番多い理由は、「配達日時が指定できない商品だった」でした。
そこで、政府は消費者・EC事業者・物流事業者の3者間でのやり取りができるシステム改修を支援する事業に着手しています。
大都市なら問題なくても、多くの地方都市は人口減少という問題を抱えています。
彼方立てれば此方が立たぬ…
というジレンマにならないために常識を根本から改革していく取り組みが始まっている訳です。
自分自身の痛し痒しは?
ところで、ご自身の(又は支援先の)「あちらを立てればこちらが立たず」というジレンマにどう対処していますか?
よくあるケース(特に製造業)で、コスト削減と言われながら、品質は向上させる…なんて場合、まさに「ジレンマ」のケースです。
この秋には50円程度の大幅な時給アップが見込まれますが、そんな固定費が増大する中であっても利益追求なんて、まさに至難の業になる可能性も出てきました。
人手不足の中で業務効率化を進めすぎると、サービス業などでは顧客満足が下がって、リピーターが減る可能性もあります。
「あちらを立てればこちらが立たず」というジレンマは常に存在します。
重要なのは、それぞれの状況において、何が最も重要なのかを判断し、バランスの取れた選択をすることです。
頭の中でグルグル考えすぎて、最適な解決策を見つけることが出来なくなった場合は、思い切って、外部の専門家に相談してみましょう。
解決策を与えてもらうのでは無く、相談して、色々と話している内に、解決策やヒントが出てくることが沢山あります。
ジレンマに苦しむよりも、最善の選択につながる行動を起こしてみましょう。
笑顔創造研究所は、みなさまの笑顔を応援しています。