熱中症対策と「安全な水」を考える

毎年のように記録的な猛暑が続いています。

 

夏のこの時期には、「こまめな水分補給」が熱中症対策の基本として広く浸透しています。

 

環境省でも、喉が渇く前から定期的に水分を摂取することを推奨しており、高齢者や子どもは特に注意が必要とされています。

 

一方で、もう一つ気になる話題があります。

 

それが「PFAS(ピーファス)」です。


「永遠の化学物質(Forever Chemicals)」

とも呼ばれ、全国各地で地下水や河川、水道水から検出されています。

 

「熱中症対策のために水をたくさん飲みましょう」と言われる一方で、「その水は本当に安全なのか」という問題がある訳です。

 

※もちろん、日本の水道水は世界的にも非常に安全性が高い水です。

 

2020年度に暫定目標値である1Lあたり50ナノグラムを超えた地域がありましたが、現在は、暫定目標値を超えた場所はないようです。

 

PFASという新たな問題について、正しく理解しておくことは、これからの健康管理に欠かせない知識となってきています。

PFAS(ピーファス)とは何か

PFAS(ピーファス)とは、

Per- and Polyfluoroalkyl

Substances(有機フッ素化合物)

の総称です。

 

実は一つの物質ではなく、1万種類以上あるとも言われる化学物質群です。

 

これらは

水をはじく・油をはじく

熱に強い・分解されにくい

という優れた特徴を持っています。

 

そのため、

 

フライパンのフッ素加工

防水加工された衣類

食品包装

半導体製造

泡消火剤

 

など、私たちの生活のさまざまな場面で利用されてきました。

 

しかし、この「分解されにくい」という特徴が大きな問題となっています。

 

自然界ではほとんど分解されず、土壌や地下水に何十年も残り続けるため、「永遠の化学物質」と呼ばれているのです。

 

現在までの研究では、PFASが体内に長期間蓄積されることが確認されています。

食品安全委員会などがまとめた研究では、長期間、高濃度で曝露した場合、

 

コレステロール値の上昇・肝機能への影響

免疫機能の低下・妊娠・出生への影響

腎臓や精巣がんとの関連

 

などが指摘されています。

 

ただし、

 

「PFASが検出されたから直ちに健康被害が出る」

というものではありません。

 

しかし、日本を含む世界各国では、「できるだけ曝露を減らす」という考え方で対策が進められています。

一度沸騰させれば安心」は間違い

昔から、

「水は一度沸騰させれば安全」

という考え方がありました。

 

確かに、細菌・ウイルスに対しては有効です。

 

しかしPFASにはほとんど効果がありません。

PFASは非常に安定した化学物質で、100℃程度では分解しないからです。

 

むしろ、水だけが蒸発するとPFAS濃度が高くなる可能性さえ指摘されています。

 

つまり、「煮沸=PFAS除去」ではないということを知っておく必要があります。

 

現在、家庭や職場でPFASを除去する方法として期待できるものは、逆浸透膜(RO)浄水器が最も除去性能が高い方法です。

 

半導体工場などでも利用される高性能な膜なら、水分子以外の多くの物質を除去できます。

※導入コストが高くなるのが難点と言えます。

 

高性能な活性炭フィルターでは、PFOSやPFOAの除去効果が期待できますがフィルター交換を怠ると性能は低下します。

 

家庭用ではあまり普及していませんが、イオン交換樹脂フィルターも除去効果が期待できます。

水道施設などでも利用されている方法です。

 

逆に、普通の浄水ポット・冷蔵保存だけでは十分な除去は期待できません

夏の水分補給で実践したい対策

熱中症は命に関わるリスクが高く、水分補給を控えることの方が危険です。

PFASを過度に恐れる必要はありません。

 

重要なのは、

「安全な水を選びながら、十分に飲む」

ことです。

 

具体的には以下の対策を実行したいです。

 

① 自治体の水質検査結果を確認する

多くの自治体ではPFAS検査結果を公表しています。

気になる地域では一度確認してみると安心です。

 

② 信頼できる浄水器を利用する

PFAS対応製品であれば安心感が高まります。

 

③ 水だけでなく電解質も補給する

大量に汗をかく場合は、市販のスポーツドリンクや経口補水液も適切に利用しましょう。

 

④ 正しい情報を見極める

SNSでは

「水道水は危険」

「ミネラルウォーターなら絶対安全」

など極端な情報も見られます。

 

しかし実際には、水道水もミネラルウォーターも継続的な監視が行われており、製品や地域ごとに状況は異なります。

大切なのは、行政機関や専門機関の情報を基に、正しく判断することです。

 

今年の夏も厳しい暑さが予想されます。

 

「健康を守る水分補給」は、量だけでなく

「水の質」にも目を向ける時代になっています。

 

正しい情報を基に賢く選択して、健康を守る第一歩と踏み出しましょう。

 

笑顔創造研究所は、みなさまの笑顔と地域経済を応援しています。