食器洗いの常識を変えた皿

食洗器をもっていない人の場合、食事をした後にお皿を洗うのが大きなストレスになってますよね。

 

綺麗好きな人なら苦にならないですが、食事後に「やれやれ…」なんて思いながら食器を洗うのは大変です。

 

冬場なんか、食器洗いで肌が荒れる人も多いので、できる事なら洗剤は使いたくないものです。

 

ところが…


 

節水製品を手がけるベンチャー「DG TAKANO」が、表面に特殊加工を施し、水ですすぐだけで油汚れが落ちる皿を開発したのです。

 

※ブランド名は、メリオールデザインという名称です。

 

洗剤を使わずに済むことから節水につながり、家事の負担軽減も期待できる画期的な商品です。

 

何が驚いたかと言えば、水で洗うだけで、一般的なお皿を洗剤で洗ったときと同レベルまで除菌ができることです。

 

皿の表面にナノメートル(ナノは10億分の1)レベルの微細な特殊加工を施してあり、汚れと皿の間に入った水が油膜ごと洗い流すことで、落ちにくい油や口紅も洗剤を使わずに水だけで落とせるというから驚きです。

 

何故、このような水だけで洗える皿は生まれたのでしょうか?

節水ノズルを開発した会社

DG TAKANOは、家業の金属加工工場から技術と機械だけを受け継ぎ、たった一人で創業したベンチャー企業です。

そんな会社が、「Bubble90」という節水洗浄ノズルを開発しました。

 

節水洗浄ノズル「Bubble90」は、実家の工場にあったNC旋盤という特殊な機械を使い、ほぼ独学で完成させたものです。

世界中で深刻化している水不足に対して何かできることがないか考えいた中で、偶然節水製品を知ったのが切っ掛けでした。

 

節水製品といいながら詐欺まがいの製品も多く、当時はモノづくり系の真面目な会社が参入していなかったので、開発に着手したそうです。

最大95%という節水率と洗浄力を両立した蛇口用の節水ノズル「Bubble90」は、全国の大手レストランの8割、スーパーの5割が導入するヒット商品に育ちました。

 

「Bubble90」がヒットしたDG TAKANOは次の製品開発にあたって、既存の節水技術を転用できる「水の使用量を減らせるトイレ」などには、意外にも着手しませんでした。

 

少し視点をずらして生活雑貨の食器にチャンスを見いだしたのです。

当たり前の発想取り払う

水資源が豊富な日本ではイメージがつきにくいかもしれませんが、東南アジアや中東では水の確保は重要な社会課題です。

 

何故、水不足が解決されいないか?「節水」という技術を起点にして考えてみると、使う技術があらかじめ決まっているので新た発想が思い浮かべやすそうです。

しかし、使う技術が固定されてしまうと、似たような製品しか生まれず、革新的な製品が生まれにくくなる欠点もあります。

 

そこで、

「水を出す側」の蛇口ではなく「水を受ける側」の皿に視点を移すことを考えた」のでした。

そして

 

「そもそも洗剤を一切使わずに洗い流すことはできないか?」という大胆なアイデアを引き出します。

普通であれば「皿を洗うには洗剤が必要」という常識に囚われてしまいすが、洗剤が必要という「当たり前」を一度取り払って、新たな発想を引き出したのです。

 

この考え方のことを「デザイン思考」というそうです。

 

「デザイン思考」をWebで検索してみると、

複雑な問題を、デザイナーがデザインを行う際の

思考法を活用して解決し、革新的な製品やサービスを生み出すための強力な思考法

であるとか

 

潜在的なニーズを深く理解し、共感に基づいて新しい解決策を創造する問題解決の手法とされていますが、イノベーションを生み出すための有効な手法ということです。

 

※デザイン思考のプロセスは色々とありますが、ここでは割愛します。

どんな社会課題に貢献していくのか?

DG TAKANOは、節水製品バルブと水だけで洗える皿で、水不足という社会課題の解決に取り組んでいます

節水、節ガス、節電等による資源の節約、洗剤を使用しないことによる環境保全を実現しただけでなく、お皿洗いに使っていた時間が子供との時間に変わり、日常を豊かにする時間を増やすというライフスタイルに大きく変えました。

 

他に社会課題の解決に貢献しようと奮闘している会社として、ユーグレナが有名です。

ユーグレナとは、ミドリムシの栄養素に着目したベンチャー企業です。

 

社長の出雲氏が学生時代に留学先のバングラデシュの栄養問題を解決したいという気持ちがきっかけとなった会社です。

健康食品や化粧品の製造だけでなくバイオ燃料事業やソーシャルビジネスにも取り組んでいます。

 

※「人と地球を健康にする」ことを目指し、バングラデシュの栄養問題解決に向け、お客様からの売上および寄付金の一部で、ユーグレナ入りのクッキーを届けるというソーシャルビジネスを続けています。

 

 

社会課題の解決とか貢献というのは利益を生まないNPO法人が行うものと考えがちですが、DG TAKANOやユーグレナのように利益をあげながら社会課題の解決に取り組む企業もあります。

 

短期的な目先の利益をあげるだけで虚しい気持ちになるのでなく、長期的な視点で、利益だけでなく社会課題の解決まで視野に入れた企業活動が行う会社が増えています。

 

これから、あらたな「どんな社会課題」に貢献していきますか?

立ち止まって、これからの在り方を考えてみるいい機会かもしれません。

 

 

笑顔創造研究所は、みなさまの笑顔と地域経済を応援しています。